からだにいいサプリメントだから、多く摂ったほうがよく効くと思っていませんか?
不必要に多く摂取すると、毒性が現れる(副作用)心配があり、大きな間違いです。
また、からだがサプリメントに慣れてしまい、ほんとうに必要なときに効かなくなってしまいます。
私たちは、糖質、タンパク質、脂質という栄養素を体内で壊して、それをエネルギーに変えることで生きています。
この 「壊す」というのは、糖や脂質を炭酸ガスと水に、タンパク質を炭酸ガスと水と尿素に分解することです。
この分解では、いずれの栄養素ももとのかたちをまったくとどめないまでに完全に壊されます。
例えば、紙に火をつけて燃やしたとします、炎に包まれた紙は炭酸ガスと水蒸気になり、熱=エネルギーを発します。
私たちのからだもこうした分解反応でエネルギーをつくり出し、そのエネルギーをも使って細胞、酵素、骨、皮膚など肉体のすべての成分をつくります。
また、消化する、動く、考える、眠るなど、生命維持に関係するすべてのエネルギーをまかないます。
つまり生命にとっては、栄養素を分解してエネルギーをつくり出すということが、もっとも重要な仕事なのです。
一方、特定の成分を抽出したサプリメントは糖やタンパク質のような栄養素のかたちをしていないので、からだが分解できません。
分解されずにからだの中に入ってくると、かたちがあるわけですから、細胞や酵素などさまざまなものにはたらきかけをします。
これが結果として「効く」という作用で、サプリメントがからだに効くということの原理です。
からだにとってもっとも重要なことは分解してエネルギーをつくることですが、サプリメントにはそれがありません。
健康にいいとか、役に立つというのは、人間の勝手な言いぶんで、分解できずエネルギーにならないということは、からだには 「いらない邪魔なもの」 になります。
私たちのからだは、サプリメントが消化管の細胞の中に入ってきた段階で、速やかに処理して捨てようとします。
このとき、体内のある酵素によって「これはいらない・捨てるもの」というマーキングがなされます。
このマーキングを少し難しい言葉で「抱合」と言いますが、抱合されたサプリメントは速やかに使に捨てられます。
ごく一部の少量が体内に入り血液を循環しますが、それもすぐに尿に捨てられます。
この抱合を担っている酵素のはたらさは大変強く、サプリメントを大さじスプーン1杯ぶん食べても、耳かきひとかきぶんでも、すべて抱合して排泄します。
つまり、サプリメントはいくらたくさん摂ってもからだの中にはとどまらないのです。
さらにサプリメントを毎日摂れば摂るほど、多く摂れば摂るほど、からだは抱合酵素をたくさんつくるようになり、どんどん抱合して捨てるようになります。
これは、薬を飲み続けるとそのうち効かなくなるのと同じ原理です。